【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
「これからは南くんもいるし、ね」
チラリ、と。
南の方を見ると、彼は柔らかい笑顔を溢していた。
「これからも私の大切な娘を頼むよ、南くん」
「お任せ下さい」
その瞳に、安心感を覚えた。
──彼がいてくれるのなら、きっと大丈夫。
何の根拠もないけれど、直感的にそう思えたのは
南の隣にいることが、とても心地よく感じるから。
今なら、全てを受け入れられそうな気がした。
受け止められる気がした。