【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~


「…南、ごめんね。もう、無理してあたしの側に居なくても大丈夫だよ。もう、エミリさんのところに行っても大丈夫だよ?短い間だったけど、今までありがとう」


「奈々様…?何をおっしゃって──「あっ、あたしのことなら心配しないで!本当に、もう大丈夫だから…」




また…口が勝手に動く。


そんなこと、思ってもいないのに。


どこにも行ってほしくなんかないのに。


あたしの側に居てほしいのに。




言葉は、偽り。

いつも、嘘ばっかり。




< 56 / 208 >

この作品をシェア

pagetop