【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~


それは、突然に。




…いいえ。


もう、運命の歯車は狂いだしていた。




───…




「奈々っ!エミリ様が…奈々のこと、探してたわよ…?

…大丈夫なの?」


「えっ…ありがとう、真宝。大丈夫だよ。ちょっと、行ってくるね」




エミリさん──…


あたしは…

逃げも隠れもしない。


あたしは…

あたしを、南を、信じてる。




溢れ出す涙は底をつき

曇った空からは太陽が見え隠れしていた。




いつになったら晴れ渡る?

それとも…

太陽が微笑むことは、もうない…?




< 59 / 208 >

この作品をシェア

pagetop