【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
それは、突然に。
…いいえ。
もう、運命の歯車は狂いだしていた。
───…
「奈々っ!エミリ様が…奈々のこと、探してたわよ…?
…大丈夫なの?」
「えっ…ありがとう、真宝。大丈夫だよ。ちょっと、行ってくるね」
エミリさん──…
あたしは…
逃げも隠れもしない。
あたしは…
あたしを、南を、信じてる。
溢れ出す涙は底をつき
曇った空からは太陽が見え隠れしていた。
いつになったら晴れ渡る?
それとも…
太陽が微笑むことは、もうない…?