【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
握りしめた拳が震える。
恐い…
自分が恐いよ…
あたしがエミリさんと南を苦しめてたんだ…
何も知らずに、あたしは酷いことをしていたんだ…
そう思うと、涙がとまらなくて
瞳から溢れだす、“罪悪感”が混じったその悲しみの雫が、頬をつたって静かに落ちた。
「…ごめん…なさい」
あたしが呟いた謝罪の一言。
しかし目の前にいる彼女には、そんなの届かない。
あたしが悪いの…
全部、全部。