【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
過去の約束
───…
「奈々様、こちら、ココアでございます」
「ん。ありがとう…」
南から受け取った、温かいココアを少しだけ口に含み
ゴクリ、と飲み込む。
熱いものがゆっくりと体の中を降下し、あたしは暖まる身体をしんみりと感じていた。
“あの”後──…
結局あたしは彼女に涙を見せることしかできなくて
そのまま、エミリさんは教室から出ていってしまった。
『南は…返してもらうわ』
と、そんな言葉を残して…