【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~


「落ち着いて下さいっ!」




大きな声と

強い力で回された腕。


今までにない彼の迫力に、あたしの動きは止まった。


南の胸を叩いていたあたしの手が、行き場をなくしてスーっと力が抜けていく。




すでに涙が瞳を潤し

顔をあげても、視界がぼやけて彼の表情は読み取れない。




南は今、どんな顔であたしを見ているの…?




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