【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
『南は…エミリさんの元へ戻って』
『それはっ──!』
“できません”
そう言われる前に、あたしは彼の口にそっと人差し指をあてた。
『あたし、約束するから!過去の記憶、全部思い出したら、必ず南を迎えに行く!絶対に南のこと、思い出してみせるから!
だから、南も約束して…?次にあたしの執事になった時は、ずっとずっと側にいてくれる、って…』
『…奈々お嬢様のお望みであれば、私は………』
ゆっくりと、ゆっくりと
心地よいリズムを奏でる、胸の鼓動。