【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
孤独なお嬢様
───…
「おはよ、真宝」
「奈々!?!?ちょっとアレ、どういうことなの!?!?きちんと説明して下さる!?!?何がどうなっているのか、私、全く理解できないわ…!」
彼女が指す“アレ”を、あたしは静かに目で追いかけた。
真宝の必死の問いかけにも、今は全然答える気になれない。
そんなあたしに気づいたのか、彼女は眉を下げ、急に黙り込んでしまった。
つぅーんと痛む、鼻の頭。
ズキズキと痛む、胸の奥。