【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
案内されたのは、信じられないほど豪華な部屋。
高級ホテルも顔負けなその豪華過ぎる立派な造りに、思わず感嘆の溜め息が漏れた。
あたしはゆっくりと息を整え、呟くように彼に尋ねた。
「こんな…あたしなんかが来るような所じゃないよね?
意味わかんない…。いきなりこんなの……
ちゃんと、説明して。
あなた誰なの?どうしてあたしの名前を知ってるの?」
彼の瞳が、真っ直ぐとあたしの姿を捕らえる。
重く、しっとりとした空気が二人を包んだ。
「私は──…」