【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~


軽くあしらった彼女の反応に、あたしは唇を尖らせた。


「真宝ちゃんってば冷たい…」


「あら、私の優しさ、奈々にはまだ伝わらないのかしら?」




伝わってるよ。

すごく、温かい真宝の優しさ。


伝わってるよ。

もっともっと前から。




「…真宝、あたし──…」


「ちょっと待って!

紅茶…淹れてくるから。話はその後。ねっ?」




< 90 / 208 >

この作品をシェア

pagetop