【キミに伝えたくて…】~執事に恋したお嬢様~
「うん…奈々、あなた新しい執事をつけた方がいいわ!」
「えっ…でもそんなっ!」
…あたしは──…
「南さんと離れたばかりで気が進まないのは、私にもわかる。だけど…
このまま奈々を一人にさせておくわけにはいかないの」
…でも──…
「真宝にもさっき話したけど、あたしは自分の力で──…」
「それは、わかってるわ!」
あたしの言葉を打ち消すように
彼女は、静かなこの空間に自らの声を響かせた。