「「お前が…」」 (司&稔)
最終回裏。
ランナー3塁。
ツーアウト。
カキ――ン
「ライト!!」
山さんが叫ぶ。
司さんが捕って――……
「ファースト!!!!」
―――――俺に投げる。
「っ!!」
高いっ!!
下がったら一塁はセーフだっ!!
無視したらマジ無い。
「っ!!」
後ろに飛びながら送球をキャッチした。
すぐさま前にいるランナーに飛び付いた。
ズサアァァァァ…
「っ―アウト!!!!」
訳が分からなくて、慶悟さんが喜んで来た事で、あぁ勝ったんだ。
って思った。
「ん」
差し伸べられた手。
上を見ると―――……
「司さん……」
「早く立て」
「あっはい」
「サンキューな」
え………
「岸田ー早く来い」
「はいっ!!」
相手には失礼極まりない事だけど、勝ったことより司さんに言われた事のほうが嬉しかった。
やっぱ、先輩ってすげぇや………。