優しい嘘
そうして彼女は生徒として認められた。
「あいつ、骨があるよ。やる気のない大学生なんかよりずっと」
彼が智江に生徒の話をするのは初めてだった。
彼女のことは智江に何度か話していた。
彼女は家族を失い、
自分を父親の様に頼られている、と嬉しそうに話していた。
この頃は、
可愛い教え子として見ていると信じていた。
実際、そうだったのだろう。
―それから3年後、
様子が変わっていった。
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