優しい嘘


ある日、あの中学生だった子が家にレッスンに来た。



普通にレッスンをしていたが、ピアノの音が聞こえなくなると長い間二人は出てこなかった。


暫くして二人は出てきて、偶然智江は居合わせた。その時の彼女の顔を見ると、完全に恋をしている顔だった。


――そして、


俊光もあの水曜日の帰って来た顔と同じ顔をしていた。





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