優しい嘘


夜中、ふと眼を覚ますと、俊光は携帯の着信を何度も確認している様だった。


そしてイライラした様に舌打ちをしていた。


――彼は彼女の着信をずっと待っていたのだ。





それであんな不機嫌になったのか。



――そんなに、あの娘が好きなの?


「―あなた…」

俊光は驚いた様に振り向いた。

「…起こしたか」



「…来て」

そう言い、智江はパジャマを脱いだ。






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