優しい嘘
頭が真っ白になった。
無言電話も
あのパソコンの
文字を送ったのも
瑠美だった。
――本当なの?瑠美…
嘘でしょう?
瑠美は無表情だった。
俊光は初めて瑠美を叩いた。
「どうして彼女にあんなことしたんだ!
打ち所が悪かったら死んでいたかもしれないんだぞ!」
「だって、こうでもしないとあの人と別れないでしょ。お父さん」
「――瑠美…」
俊光は瑠美を抱いた。
「―こんなになるまでお前を追い詰めていたんだな」
「ごめんよ、瑠美…
全部、俺のせいだ」
瑠美はまだ無表情だった。