優しい嘘
エピローグ
―あれから3年、
俊光と雪依は結婚したという噂を聞いた。
テレビで俊光を見ると、違和感があった。
彼女も彼の番組に出演した。
どうやらプロデビューするらしい。
二人一緒にいる姿は智江には絶対に入れない、
何か見えない糸で繋がっている何かがあった。
あの土下座して頼んでいた時から、感じていた。
二人は凄く幸せそうだった。
あの時、
自分がもし彼女を家に入れていなければ―
もし、二人目の子を生んでいれば―
あそこには自分がいたのかもしれない。
けれど、後悔しても仕方がない。
私には、瑠美がいる。
「ただいま~!お腹好いた!何かある?!」
「瑠美!行儀悪いわよ!手洗いなさい!」
瑠美はどんどん明るく、元気に育っている。
月に一度、瑠美は俊光に合っている。
「あ!お父さんだ!何これ、格好つけて」
今では瑠美は俊光を父親として愛している。
自分の決断は間違ってはいなかった。
別れてからお互いが思いあえる家族もいるのだ。
―あなたの幸せを
ずっと
ずっと願っている…
―fin―