『鬼母』〜小さな光が消えるとき〜


それぐらい?


きっと、男の巽には
わかんないんだよ…


「簡単に、そんな事いわないでよ……(泣)」

「認知はする。養育費も払う。だから、別れよう」

「どうして?ねぇ…」

「決めたから。」


「勝手に決めないでよ。ヒドいよ。
赤ちゃんだって、どーするの?あたし一人じゃ育てられないもん」

「……なら、産んだら俺が引き取る。それでいいだろ」

「やだ!ずっと一生幸せにするって言ったじゃん!!だから、あたし……」

「明日、離婚届け取りに行くから。」

「ねぇ…聞かせて、
巽はあたしの事好きじゃなくなったの?」


皮肉にも
その時だけあたしを見て、巽は頷いた。
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