『鬼母』〜小さな光が消えるとき〜
「可愛いって思えないんです。あたし…」
先生は、黙ってあたしの話を聞いてくれた。
「芽唯が産まれてから一度も…
あたしの人生をめちゃめちゃにしたんだもん。
なのに、芽唯には
先生みたいに心配してくれる人がいて、
あたしには、誰一人いない!」
「お母さん、辛かったね‥‥。一人で寂しかったんだね。だけど、あたしたちは、芽唯ちゃんだけでなく…お母さんにも元気になって欲しいと思ってるわ…。」
「…ごめんなさい……でも、もーほっといて下さい。あたしは、駄目な母親でいいんです。失礼します。」
あたしは、芽唯のいる部屋に行き、荷物を纏め園を出た。
まるで、逃げ出すみたいに。