シロップ×2 ガイドブック
着信画面には〔ユーシン〕とある

メールを読むと、今日の夕飯についてだった

(今日の食事当番、あたしだっけ)


すこし考える

(ナツメ、確かパスタが食べたいって言ってたな)

すばやく返信する


― どよめきが走った

見ると壇上のナツメが、にこやかに手を振っていた

会場から歓声があがる

(・・・みなさんすみません)

奈美は携帯をポケットにしまいながら

(ナツメ、“実は男”なんです)

心の中で頭を下げた


 
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