シロップ×2 ガイドブック
「ちょっとユーシンッ!飛ばしすぎだよッ!」

バイクの後ろの席で、日高奈美が叫ぶ

風が髪をはためかせ、せっかくセットしたのが台無しだ

「前のヤツに言え」

ユーシンはアッサリ言うと、さらにスピードを上げる

前方に、二人乗りしたバイクが爆走していた

時々振り返り、ギョッとした顔でこちらを見ている

「逃がさねぇぜ」

ニヤリと笑うユーシン

カーブをブレーキ無しで曲がり切る

奈美は、まるでジェットコースターに乗ってる気分だった

(な、なんでこんな事にッ!)


― 頭の中に30分前の記憶がよみがえる
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