応援団長の恋するチョコレート
「彼氏と過ごさなくて
いいのかよ」

教師が用意したイベントが終了するまで
まだ時間があった

他の生徒たちが
戻ってくるまで

終わって生徒には
時間が余る

一人でぼーっと
していると

東條がまた
俺の指に触れてきた

「風にあたってくるって
言ったから」

「そっか」

また俺たちは
指と指を絡め合う

「私……」

「夏は悪かったな
俺、試合の応援が終わると
声が出なくなるんだ

痛くってさ

馬鹿だよな
そこまで応援しなくったって
いいのにな!」

東條は
首を横に振った

「嬉しかったよ
俺に、告白してくる女子が
いるなんて思わなかったから」

「私、一生懸命
応援している朝霧君を見ているのが
好きで……
だから、えっと…」

「ありがとう」

「うん」

東條はじっと俺を見つめてきた

俺は
視線を東條から外した
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