社会人と女子高生2
あまりのショックで、頭が言葉を理解するのに時間がかかる。


「…出張って…どれくらい…?」


気持ちを落ち着かせて単語を絞り出して聞く。


「…1週間。」


「…そう…なんだ…。」


仕方ないよね…。


仕事なんだもん…。


「…悪い。」


「大丈夫だよっ…!仕事なんでしょ?仕方…ないよ…。」


浅賀さんは大変なんだ…。


“行かないで”なんて…わがまま言えない…。


その日の夜は、泣きたい気持ちを我慢した。


出そうになる涙を、唇を噛んで堪えた。


…気付けば、外は明るくなっていた。


結局眠ることなく朝を迎えた。
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