社会人と女子高生2
握られて気付いたけど、自分の手が、緊張で少し震えていた。


「由香里が不安なら、俺がこうして手、握るから。だから、由香里は自分らしく振る舞えばいい。」


そんな浅賀さんの言葉もあって、気を持ち直すことが出来た。


深呼吸して、家の入り口に足を踏み入れた。


「亮、お帰り。…あなたが由香里ちゃんね。待ってたのよ。さぁ、上がって!」


私達を出迎えたのは、浅賀さんのお母さんだろう。


優しそうな印象を受けた。


「お、お邪魔します…。」


広いお屋敷は、中に入ると一層広かった。


逆に私自身、狭く小さくなるのを感じずにはいられなかった。
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