社会人と女子高生2
「見ててわからない?ワンピースよ。」


ニコニコと笑う、浅賀さんのお母さん。


「…それはわかるんですけど…。」


裁縫を教えてくれるのだから、てっきり私は、何かを縫うものだと思っていた。


「…それ、ずいぶん前に私が作ったの。もちろん手縫いでよ?」


「このワンピースですか!?」


困惑する私に投げ掛けられた言葉は、驚きのものだった。


そのワンピースは、まるでミシンで作ったみたいに、綺麗な仕上がりになっている。


いくら手が器用でも、ここまではなかなか出来るものじゃない。


「まぁ、さすがに家事しながらだから時間は掛かったけどね。」
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