社会人と女子高生2
そこまで言われて頂かないわけにもいかなかった。


「…有り難く頂きます。」


「どうぞ!」


たくさんの服を抱えて、座敷を出ようとしたその時。


「…由香里ちゃん。」


後ろから、浅賀さんのお母さんが抑えた声で私を呼び止めた。


その声に振り向くと、浅賀さんのお母さんは俯き、涙を浮かべていた。


「亮の嫌いなところを聞いた時…短所を言わないでくれてありがとう…。あなたが亮の彼女で良かった…。」


「…いえ…。私こそ…浅賀さんのお母さんが、“お母さん”で良かったです…。ふつつか者ですが、これからよろしくお願いします。」
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