闇と仮面
「こんばんは♪…あのーすみませんが〜…」


いきなり緊迫し糸を切る
よえな声が、二人の間に
割って入ってきた


「貴様っ、何者だっ!!!」


仮面の奥で
眼を剥き出しにして、
怒鳴り散らし
声の主をみやった


視線の先には
片眼鏡(モノクル)を
はめて、紳士のような
黒衣を身につける男がいた

「あぁ。はい、私(わたくし)わわっっ……!!」


紳士は暢気に
一歩近付いて
自己紹介を始めようと
したが、出来なかった


モノクルの男は
地面にあった石に
躓いて
転倒してしまったのだ


しかし、それは
結果的にこの男を
助けたことに
なっていた


男の頭があった
場所を物凄い勢いで
ナイフが飛来して
粉砕していたかも
しれないからだ


「ちっ!運のいいやつめっ!!」


吐き捨てるように
言いやって
仮面の男は
怒りをあらわにして
向き直り
その場から掻き消えた


「覚えとけっ、この借りは必ず返す!!!」
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