闇と仮面

2−招待

―鉛色の空には
重そうな雲が
ゆっくり流れている


シルバ・ロジャーは
バスから降りると
白い息を吐き出して
バス停に立ち尽くす


「えーと、確か
迎えが来てるはず…」


シルバはしばし
ポッケから
取り出した
メモに、目を落とす


そこには簡単な地図
が記されていた


シルバは深いため息をつき
顔をあげた。
誰かが迎えに来てくれる事になっていたのだ。


そこへ、うやうやしく
男がシルバに
声をかけてきた


「あの、
失礼ですが
ロジャーさん、…ですか?」


「えっ?!…ええ、はい。貴方は…?」


その男は、小柄で
黒淵眼鏡をはめて
短髪のブラウンだ


「ああ、やっぱりっ!!
よかったぁ〜♪

ん?……
あぁっ、失礼致しました!

申し遅れまして、私
ロジャー様のお迎えを承った
エルス・ペルフロムと申します。」

エルス・ペルフロムと名乗った
男は、うやうやしく
頭を下げると
シルバの荷物を
手に持った


「荷物は
こちら、全部で?」


シルバの荷物が
トランク一つと、身軽だったので
エルスは確認した


「…あっ、はい!。
それで、すべてです」


エルスは安心したように
頷いて、トランクを
片手に持ち
シルバの方を振り返った


「…あの?…」
「はい。それでは
どうぞこちらへ。
お車に、ご案内致します。」


シルバは何か言うおうと
したが、エルスが
それを遮る様に
車に案内した


エルスがセダンの
トランクに
荷物を積み終わると
なにやらケータイで
話始めた


シルバは気にもせず
セダンの豪華な
内部に気を取られていた



「えぇ、…はい、はい。
確かに、そう名乗りました。……では、また後ほど。」
< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop