恋する時
それから毎日、野村君と帰るのが当たり前みたいになっていた。
そんな日。
「美奈…?」
呼び止められて、振り返ると。
「…利彦…」
そこにいたのは元彼の利彦。
利彦は野村君をチラッと見るなり。
「ふうん…野村と付き合ってんの?」
アンタには関係ない!!
心の中でそう思いつつ。
「付き合って…「だったら何!?」
否定しようとした私の言葉を野村君が遮った。
野村君…?
利彦は野村君を睨む様に見る…
だけど、野村君は…
「もうお前には関係ないんだから名前で呼ぶな!」
…………えっ…?
「美奈は俺のだからもう構わないでくれる」
……野村君…?
って、余裕綽々の顔。
…俺の…?
「行くよ」
野村君は私の腕を掴み、足早に歩き出した。