恋する時
バレンタイン前日。
「美奈ー野村君にチョコあげないの?」
幸せオーラ振り撒いて恵梨が笑顔で聞いてくる。
「好きって言われたんでしょ?」
「…ん…まぁ…」
あの日、好きって言われてから何となく気まずい…
私は意識しちゃうし。
野村君はあんまり喋らなくなった。
一緒に帰る意味あんのかな…
「恵梨、私、購買行ってくる」
教室を出ると、廊下の隅で笑顔の野村君…とクラスの女の子…
…ズキッ…
一瞬、野村君と目が合ったけど、私は目を反らし小走りに前を通り過ぎた。
…私…馬鹿みたい…
別に、普通にすればいいのに…
私を好きって言ったからって、女の子と話すくらいするよ…
でも…笑顔で女の子と話す姿は見たくなかったな…
って、私何でこんな事思うの…?
「美奈!」