恋する時

バレンタイン前日。



「美奈ー野村君にチョコあげないの?」



幸せオーラ振り撒いて恵梨が笑顔で聞いてくる。



「好きって言われたんでしょ?」



「…ん…まぁ…」



あの日、好きって言われてから何となく気まずい…


私は意識しちゃうし。


野村君はあんまり喋らなくなった。



一緒に帰る意味あんのかな…



「恵梨、私、購買行ってくる」




教室を出ると、廊下の隅で笑顔の野村君…とクラスの女の子…



…ズキッ…



一瞬、野村君と目が合ったけど、私は目を反らし小走りに前を通り過ぎた。




…私…馬鹿みたい…

別に、普通にすればいいのに…


私を好きって言ったからって、女の子と話すくらいするよ…





でも…笑顔で女の子と話す姿は見たくなかったな…




って、私何でこんな事思うの…?





「美奈!」



< 15 / 19 >

この作品をシェア

pagetop