恋する時


2人で並んで歩く帰り道。

私の歩く速度に合わせてくれる…



…利彦はいつも早くしろって言ってた。



手なんかいつの頃からか繋がなくなって。



あれって、他の女に見られたくないからだ…




「キャァ」


そんな事を考えながら俯いて歩いていると急に引き寄せられた。



「前から人来てるのに、下向いてたら危ないだろ!」


今度はそのまま手を握ったまま歩き出す…



車道側を歩く彼の横顔をチラッと見上げる。



それに気付いた彼が。



「さっきから何?」



…ドキッ…



素っ気ない言い方するけど、表情が優しい…


それに…この人カッコイイ……




今度は繋がれた手から熱くなる…



何か、私…変……



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