何も言えない程、
俺達の気まずい雰囲気を察したのか、陽菜は俺のそばから離れ自分の席へ戻った。
「………」
「………」
しばらくの沈黙。
痺れを切らしたのか、睦月が口を開いた。
「佐介、今日一限目、さぼらねぇか?」
その様子はどこか切なげで、俺は断りきれなかった。
「……うん…」
9時。
俺達は屋上にいる。
睦月は俺の方を向いているけど、何となく目が泳いでいた。
「あの時のこと……どう、思ってる?」
「え……?」
あの時…。
それはきっと、教室に呼び出されたあの日のことを言っているのだろう。