何も言えない程、
理由なんてそれぞれで
「まだ…陽菜が好きだ」
そう呟くと、真奈美は涙を流しながら言った。
「それでもいいよ!!
佐介が陽菜を好きでも、私は佐介のことが一番好きだから!!陽菜のことは好きなままでもいいから、ずっと私と付き合って!!」
ひどいことをしてるのは俺なのだから、当然断れるはずがない。
「真奈美は、いいの?」
「私は佐介といれるだけで幸せだから……」
「そっか……」
俺は真奈美の手を握り、歩き出した。