何も言えない程、
俺は真奈美を優しく抱き締めて、キスをする。
「佐介……。イヤだよ…どこにも行かないで。陽菜のとこになんか行かないで。
ずるいよ。陽菜はずるい。
どうして……?どうして陽菜なの?」
俺はただ黙って聞くことしか出来ない。
「私の方が陽菜なんかより佐介を楽しませてあげられる!陽菜なんかに渡さない!!」
真奈美。
こんなにも、俺を想ってくれてる。
真奈美も大切だったよ。
「俺は十分、楽しかったよ。…ありがとう、ごめんね……」