何も言えない程、
やめろ、と制止を訴えたいけど、口を開けば出るのは甘い、欲情した声だけ。
何も出来ないことが、どうしようもなく苦しくてもどかしくて、これ以上の思いがあるのだろうかと、睦月の体温を感じながら思った。
―――――――――――
あんなことがあってから、睦月とはまともに話せず、目も合わせられない状態。
忘れられない。
あの熱が。
あの痛みが。
あの苦しみが。
あの時の睦月の荒い息も、強い目も。