冬うらら2
□
何故か、カイトは周囲を確認してしまった。
こんな時間にこの部屋には、二人以外の誰もいるはずなどないのに―― 自分を誰かが監視しているのではないかという、強迫観念のようなものがあった。
いや違う。
心に、後ろ暗いことが走ったので、これからドロボウに入るかのような素振りを見せてしまったのだ。
そっと。
ベッドに腰かけて、もう一度彼女の寝顔を眺める。
戸惑いながら指を伸ばすが、何の反応も返らない。
彼女の眠りが、深いことを証明してくれていた。
それに助けられ。
カイトは、身体をかがめて。
彼女の吐息に、キスをした。
呼吸の邪魔をしないくらい、ほんのわずかだけ。
深くもない。
そっと離れる。
カッ。
カイトは、いま自分がしたことをはっきり認識して、頬の端を赤くした。何やってんだ、と。
彼女の承諾も何もない、こんな寝込みを襲うようなキスをしてしまったのだ。
そういうんじゃねぇ!
ムズムズする感じを切り落とそうとするのだが、悪性の腫瘍よろしく身体のあちこちに転移しまくる。
最後には脳に到達したようで、彼は自分の頭をかきむしりたい衝動をこらえるのが大変だった。
「ん?」
けれども、そんな彼の動揺が―― 止まった。
津波が来るぞ、と誰かが言った。
さっき、カイトが起こした地震のせいだ。
眠っているメイが見える。
しかし。
顔が真っ赤になっていた。
ザッパーン!!!!
何故か、カイトは周囲を確認してしまった。
こんな時間にこの部屋には、二人以外の誰もいるはずなどないのに―― 自分を誰かが監視しているのではないかという、強迫観念のようなものがあった。
いや違う。
心に、後ろ暗いことが走ったので、これからドロボウに入るかのような素振りを見せてしまったのだ。
そっと。
ベッドに腰かけて、もう一度彼女の寝顔を眺める。
戸惑いながら指を伸ばすが、何の反応も返らない。
彼女の眠りが、深いことを証明してくれていた。
それに助けられ。
カイトは、身体をかがめて。
彼女の吐息に、キスをした。
呼吸の邪魔をしないくらい、ほんのわずかだけ。
深くもない。
そっと離れる。
カッ。
カイトは、いま自分がしたことをはっきり認識して、頬の端を赤くした。何やってんだ、と。
彼女の承諾も何もない、こんな寝込みを襲うようなキスをしてしまったのだ。
そういうんじゃねぇ!
ムズムズする感じを切り落とそうとするのだが、悪性の腫瘍よろしく身体のあちこちに転移しまくる。
最後には脳に到達したようで、彼は自分の頭をかきむしりたい衝動をこらえるのが大変だった。
「ん?」
けれども、そんな彼の動揺が―― 止まった。
津波が来るぞ、と誰かが言った。
さっき、カイトが起こした地震のせいだ。
眠っているメイが見える。
しかし。
顔が真っ赤になっていた。
ザッパーン!!!!