冬うらら2
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時計を見れば、7時5分。
営業時間の早いレンタカー屋なら、もう開けているはずだ。
車を出し、駅前のレンタカー屋を探す。
1件目は、8時から営業という根性ナシだったが、2件目は7時から開いていた。
明かりがついている。
カイトは、自分の車をガンと止めて事務所に入った。
「いらっしゃいませ」
そうして、軽トラックを運転して帰ってきたのである。
乗って行った車は、置いてきた。
後でこの車を返す時に受け取ればいいのだ。
しかし、帰りの運転中、ひっかかることを覚えた。
この車に自分が乗るのはいい。
たとえ、座り心地が悪かろうが、背のリクライニングを1ミリも動かせなくても平気だ。
けれども、この助手席にメイを乗せることになる。
そのことを、深く考えていなかったのだ。
軽トラックに、メイ。
右脳が、見たこともないくせに、その画像を勝手に生成する。
一瞬、その映像を拒否しかけたが、カイトはきちんと最後までそれを確認してしまった。
軽トラックに乗っているメイ。
きっと、彼女の性格からすると、イヤな顔一つせずに乗り込むだろう。
そうして。
予測の中での彼女の顔は―― 笑っていた。
にこにこと。
軽トラックの助手席でも、何だか嬉しそうにしている映像ができあがっていたのである。
こんな安っぽい車の、座り心地の悪い助手席に乗せているのに、どうして笑っているのか。
しかし、それはあくまで彼の右脳が作り出したものなので、真実かどうか分かるはずもない。
正直を言えば、乗せたくなかった。
時計を見れば、7時5分。
営業時間の早いレンタカー屋なら、もう開けているはずだ。
車を出し、駅前のレンタカー屋を探す。
1件目は、8時から営業という根性ナシだったが、2件目は7時から開いていた。
明かりがついている。
カイトは、自分の車をガンと止めて事務所に入った。
「いらっしゃいませ」
そうして、軽トラックを運転して帰ってきたのである。
乗って行った車は、置いてきた。
後でこの車を返す時に受け取ればいいのだ。
しかし、帰りの運転中、ひっかかることを覚えた。
この車に自分が乗るのはいい。
たとえ、座り心地が悪かろうが、背のリクライニングを1ミリも動かせなくても平気だ。
けれども、この助手席にメイを乗せることになる。
そのことを、深く考えていなかったのだ。
軽トラックに、メイ。
右脳が、見たこともないくせに、その画像を勝手に生成する。
一瞬、その映像を拒否しかけたが、カイトはきちんと最後までそれを確認してしまった。
軽トラックに乗っているメイ。
きっと、彼女の性格からすると、イヤな顔一つせずに乗り込むだろう。
そうして。
予測の中での彼女の顔は―― 笑っていた。
にこにこと。
軽トラックの助手席でも、何だか嬉しそうにしている映像ができあがっていたのである。
こんな安っぽい車の、座り心地の悪い助手席に乗せているのに、どうして笑っているのか。
しかし、それはあくまで彼の右脳が作り出したものなので、真実かどうか分かるはずもない。
正直を言えば、乗せたくなかった。