冬うらら2
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自分の甲斐性とやらで、まだちっとも彼女を綺麗に着飾れたことさえないのに、軽トラに乗せなければならないのだ。
これじゃあ、甲斐性どころではなかった。
オレ一人で…。
けど…。
クソッ。
色々と葛藤しているうちに、彼は家まで帰り着いてしまったのだ。
まだ、全然何の決着もついていないというのに。
それと、もう一つ問題があった。
う。
どうやって、このトラックのことを彼女に切り出そうか、ということである。
今度は、カイトはそれを考えなければならなかった。
きっと彼女のことだから、どうして軽トラックがそこにあるのか聞くだろう。
その時に、またこの口がロクでもないことを言わないように、シミュレーションしておこうと思ったのだ。
素直に借りてきた、と言えばいいのである。
何も悩むことはない。
しかし、『ありがとう』とか『ごめんなさい』とか言われずに済むような言葉はないか、とゼイタクなことを考えてしまったのである。
そんなカイトが、トラックを玄関前につけようとした時。
やはり、まだその件についても何の決着もついていないというのに。
玄関のドアが、バタンと開いたのである。
一瞬、シュウが休日出勤でもするのかと思った。
しかし、出てきたのはその男に比べたら、小さな身体だったのだ。
瞬間的に、カイトは硬直した。
まさか、メイがいきなり出てくるとは思ってもみなかったからだ。
キッと、ブレーキを踏んで車を止めたが、視線はずっと彼女に向けたままだった。
自分の甲斐性とやらで、まだちっとも彼女を綺麗に着飾れたことさえないのに、軽トラに乗せなければならないのだ。
これじゃあ、甲斐性どころではなかった。
オレ一人で…。
けど…。
クソッ。
色々と葛藤しているうちに、彼は家まで帰り着いてしまったのだ。
まだ、全然何の決着もついていないというのに。
それと、もう一つ問題があった。
う。
どうやって、このトラックのことを彼女に切り出そうか、ということである。
今度は、カイトはそれを考えなければならなかった。
きっと彼女のことだから、どうして軽トラックがそこにあるのか聞くだろう。
その時に、またこの口がロクでもないことを言わないように、シミュレーションしておこうと思ったのだ。
素直に借りてきた、と言えばいいのである。
何も悩むことはない。
しかし、『ありがとう』とか『ごめんなさい』とか言われずに済むような言葉はないか、とゼイタクなことを考えてしまったのである。
そんなカイトが、トラックを玄関前につけようとした時。
やはり、まだその件についても何の決着もついていないというのに。
玄関のドアが、バタンと開いたのである。
一瞬、シュウが休日出勤でもするのかと思った。
しかし、出てきたのはその男に比べたら、小さな身体だったのだ。
瞬間的に、カイトは硬直した。
まさか、メイがいきなり出てくるとは思ってもみなかったからだ。
キッと、ブレーキを踏んで車を止めたが、視線はずっと彼女に向けたままだった。