冬うらら2
♪
しかし、理由はそれだけじゃなかった。
確かにその教授との折り合いも悪かったのだが、根本的な問題もあったのだ。
勉強する内容が、退屈だったのである。
それなら、高い学費を出して学校に行かなくても、自分の好きな道を極めた方が、よっぽど人生においては効率的なような気がした。
あっさり大学を中退して、彼女はコンピュータの道に入ったのだ。
ちなみに1号と2号は、まだ大学生だ。
楽しそうだが、別に羨ましいとは思わなかった。
高校時代からその道に目覚め、ハナの部屋にはコンピュータが5台、ところ狭しと並べたり積まれている。
LANでつなぎ、周辺機器も色々つないでいる。
その全体が、サイバーでカオス的だったので、『フランケン』という総称で呼んでいた。
つぎはぎなクセに、何か可愛いじゃん、というところだ。
CGやプログラムにも目覚め、自分からしてみれば、かなり『使える女』になったつもりだった。
となると、この才能を生かせる会社に殴り込みである。
ハナは、F・カンパニーと鋼南電気の順で殴り込んだ。
どちらも新規で募集していたワケではなかったが、彼女は自作ゲームを持ち込みして、自分を売り込んだのである。
F・カンパニーの方は、社長自らご登場で、何だか分からないことをベラベラしゃべられた。
でも、彼が最初に挨拶のように、女であることをホメたのが気に入らなかった。
自分が女であることはイヤではないのだが、こうも才能の評価より先に、女性であることを口にされると、面白くないのである。
鋼南電気の方は、誰もいない部屋に通された。
面接官さえ、いないのである。
どういう意味かと思っていたら、持ち込んだ作品だけ奪われて―― 待たされること15分。
眼鏡でのっぽの男が現れて、作品を返しながら『いつから出社出来ますか?』と聞いた。
あとで、彼は副社長であることが分かったのだ。
気に入った。
ハナは、ニッと笑った。
味も素っ気もない試験ではあったが、一番気に入る試験だった。
しかし、理由はそれだけじゃなかった。
確かにその教授との折り合いも悪かったのだが、根本的な問題もあったのだ。
勉強する内容が、退屈だったのである。
それなら、高い学費を出して学校に行かなくても、自分の好きな道を極めた方が、よっぽど人生においては効率的なような気がした。
あっさり大学を中退して、彼女はコンピュータの道に入ったのだ。
ちなみに1号と2号は、まだ大学生だ。
楽しそうだが、別に羨ましいとは思わなかった。
高校時代からその道に目覚め、ハナの部屋にはコンピュータが5台、ところ狭しと並べたり積まれている。
LANでつなぎ、周辺機器も色々つないでいる。
その全体が、サイバーでカオス的だったので、『フランケン』という総称で呼んでいた。
つぎはぎなクセに、何か可愛いじゃん、というところだ。
CGやプログラムにも目覚め、自分からしてみれば、かなり『使える女』になったつもりだった。
となると、この才能を生かせる会社に殴り込みである。
ハナは、F・カンパニーと鋼南電気の順で殴り込んだ。
どちらも新規で募集していたワケではなかったが、彼女は自作ゲームを持ち込みして、自分を売り込んだのである。
F・カンパニーの方は、社長自らご登場で、何だか分からないことをベラベラしゃべられた。
でも、彼が最初に挨拶のように、女であることをホメたのが気に入らなかった。
自分が女であることはイヤではないのだが、こうも才能の評価より先に、女性であることを口にされると、面白くないのである。
鋼南電気の方は、誰もいない部屋に通された。
面接官さえ、いないのである。
どういう意味かと思っていたら、持ち込んだ作品だけ奪われて―― 待たされること15分。
眼鏡でのっぽの男が現れて、作品を返しながら『いつから出社出来ますか?』と聞いた。
あとで、彼は副社長であることが分かったのだ。
気に入った。
ハナは、ニッと笑った。
味も素っ気もない試験ではあったが、一番気に入る試験だった。