冬うらら2

「あのマシンガンは…第一に入れんじゃねーぞ…」

 ようやく騒ぎの静まった開発室で、カイトはすっかり疲れ果てて、ぼそっとチーフに言った。

「女性だからですか?」

 意外そうに眉を上げて、でも何か嬉しそうな光があるのが、カイトをムッとさせた。

「違う」

 さっきの事件を思い出すと、ますます機嫌が悪くなる。

「じゃあ、何故ですか?」

 チーフのしつこい問いかけに、カイトは舌打ちした。

「マシンガンだからだ…」

 それが、カイトの答えだった。

「それじゃあ、理由にはなりませんねぇ」

 彼は笑って、自分の仕事に戻ってしまった。

 使えないチーフだ。


 しかし、カイトは―― 自分がハナのゲームをプレイして、入社を決定したことは覚えていなかった。

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