冬うらら2
◎
「これは、カイト君にもらったの?」
彼女の左手を捕まえて持ち上げるなり、質問の第一声が飛び出る。
メイの方はというと、いきなり間近な声でびっくりして飛び起き、お客がハルコであることに気づき安心するまで、もうちょっと時間がかかるようだった。
瞬きをいっぱいしながら、落ち着かない目でハルコを映していた。
「ああ、ごめんなさいね…ちょっと驚いて」
予想以上に、はしゃいでしまった自分に気づいて、彼女は苦笑した。
しかし、気になる。
メイの左手に輝いている、プラチナ・リング。
いままで、一度だって彼女の指にリングはなかった。
なのに、今日になって突如現れたのである。
頭の中に、カイトがどうやってメイにリングを渡したか、という疑問が渦巻く。
彼が自分で指輪の必要性に気づいたのだろうか、という根本的な部分から、指輪をはめさせるまでの過程を想像しようとするが、なかなかうまくいかない。
メイが、ねだったのだろうか―― いや、それもありえないような気がした。
夫の入れ知恵かとも思ったが、家で彼はそういうことを話していなかった。
早く、彼女の口から謎を解いてもらわないと、ハルコは今夜眠れそうにない。
しかし、あえて深呼吸を一つして。
「一緒にお茶でも飲みながら、ゆっくり話を聞かせてね」
そう言って、調理場の方に向かう。
焦ったら、青い鳥が逃げそうな気がしたハルコは、誰よりも我慢強かった。
「これは、カイト君にもらったの?」
彼女の左手を捕まえて持ち上げるなり、質問の第一声が飛び出る。
メイの方はというと、いきなり間近な声でびっくりして飛び起き、お客がハルコであることに気づき安心するまで、もうちょっと時間がかかるようだった。
瞬きをいっぱいしながら、落ち着かない目でハルコを映していた。
「ああ、ごめんなさいね…ちょっと驚いて」
予想以上に、はしゃいでしまった自分に気づいて、彼女は苦笑した。
しかし、気になる。
メイの左手に輝いている、プラチナ・リング。
いままで、一度だって彼女の指にリングはなかった。
なのに、今日になって突如現れたのである。
頭の中に、カイトがどうやってメイにリングを渡したか、という疑問が渦巻く。
彼が自分で指輪の必要性に気づいたのだろうか、という根本的な部分から、指輪をはめさせるまでの過程を想像しようとするが、なかなかうまくいかない。
メイが、ねだったのだろうか―― いや、それもありえないような気がした。
夫の入れ知恵かとも思ったが、家で彼はそういうことを話していなかった。
早く、彼女の口から謎を解いてもらわないと、ハルコは今夜眠れそうにない。
しかし、あえて深呼吸を一つして。
「一緒にお茶でも飲みながら、ゆっくり話を聞かせてね」
そう言って、調理場の方に向かう。
焦ったら、青い鳥が逃げそうな気がしたハルコは、誰よりも我慢強かった。