冬うらら2
◎
あの手。
この手。
というワケではないが、恥ずかしがって余り自分から語ろうとしない相手を前に、何とか話題を誘導して、少しずつ全容を明らかにしていった。
まあ、まあ、まあ!!!
一つ出てくる度に、ハルコは嬉しい驚きに包まれた。
あのカイトが、自分から彼女を宝石店に連れて行ったのである。
この事実だけでも快挙なのに―― その上、カイトも結婚指輪をしているというのだ。
いままでの彼を知るハルコからしてみれば、信じられなかった。
カイトが指輪を。
世の中のカップルを、いつも『ばっかじゃねーの?』と、思っていたような彼である。
たとえ結婚指輪とは言え、そういう『愛の形』なるものを、喜んで受け入れるとは思わなかった。
つくづくメイという人間の、彼への影響力の凄さを思い知らされるのだ。
あのカイトが、結婚式で見せ物になることを許可したのも。
結婚指輪を買ってはめたのも。
全部、彼女がいたからこそ、だ。
しかし。
その事実をメイは、100%正しく受け止めてはいなかった。
受け止めているなら、もっと自分が愛されている自信というものが、オーラで表れているに違いない。
確かに、彼に愛されて見違えるように綺麗になっているメイだったが、きっと少しずつしかカイトの気持ちを受け入れられないのだ。
それは、カイト君も一緒ね。
彼女の一言一言から、いかにカイトのことが好きなのか溢れ出してくる。
けれども、そういう端々から気持ちを拾うのが苦手な相手に言うのでは、実力の50%も発揮出来ないだろう。
「よかったわね」
指輪事件をあらかた聞き出したハルコは、最後に笑顔でそう言った。
「まだ、ホントは…信じられないんです」
困ったような笑顔で、メイはそう言った。
あの手。
この手。
というワケではないが、恥ずかしがって余り自分から語ろうとしない相手を前に、何とか話題を誘導して、少しずつ全容を明らかにしていった。
まあ、まあ、まあ!!!
一つ出てくる度に、ハルコは嬉しい驚きに包まれた。
あのカイトが、自分から彼女を宝石店に連れて行ったのである。
この事実だけでも快挙なのに―― その上、カイトも結婚指輪をしているというのだ。
いままでの彼を知るハルコからしてみれば、信じられなかった。
カイトが指輪を。
世の中のカップルを、いつも『ばっかじゃねーの?』と、思っていたような彼である。
たとえ結婚指輪とは言え、そういう『愛の形』なるものを、喜んで受け入れるとは思わなかった。
つくづくメイという人間の、彼への影響力の凄さを思い知らされるのだ。
あのカイトが、結婚式で見せ物になることを許可したのも。
結婚指輪を買ってはめたのも。
全部、彼女がいたからこそ、だ。
しかし。
その事実をメイは、100%正しく受け止めてはいなかった。
受け止めているなら、もっと自分が愛されている自信というものが、オーラで表れているに違いない。
確かに、彼に愛されて見違えるように綺麗になっているメイだったが、きっと少しずつしかカイトの気持ちを受け入れられないのだ。
それは、カイト君も一緒ね。
彼女の一言一言から、いかにカイトのことが好きなのか溢れ出してくる。
けれども、そういう端々から気持ちを拾うのが苦手な相手に言うのでは、実力の50%も発揮出来ないだろう。
「よかったわね」
指輪事件をあらかた聞き出したハルコは、最後に笑顔でそう言った。
「まだ、ホントは…信じられないんです」
困ったような笑顔で、メイはそう言った。