冬うらら2
□
ぱふっと。
メイは、彼の胸に顔を埋める。
そうして、彼女もぎゅっと抱きしめてくれた。
上着も着たままの、ちょっと抱きづらいカイトの身体を。
背中に回る腕の感触に、胸を締め付けられる。
「よかった…」
ぽつっと。
メイは、胸の中でそう呟いた。
よかった?
車の話をしたら、きっと出てくるのは『ありがとう』だと予測していたカイトは、眉を顰める。
どうして、ここで『よかった』が出てくるのか。
「起きたら、いなかったから…」
ぎゅうっと、カイトを抱きしめる腕に力が込められる。
顔は、胸にうずめたまま。
「……!」
その言葉で、すべてを教えられる。
彼が帰ってくる前に、メイはすでに起きていたのだ。
そうして、ベッドに一人だったのである。
だから。
玄関まで飛び出してきたのだ。
パジャマのままで。
胸が、きゅうっとする。
結果的に、彼女に不安な思いをさせたのだ。
それが苦しかった。
それと―― 心のどこかで、すごくメイが自分を欲してくれている、ということを教えられた気がして、また愛しさが募る。
まだ。
全然、二人とも。
両思いにすら、慣れていなかったのだ。
ぱふっと。
メイは、彼の胸に顔を埋める。
そうして、彼女もぎゅっと抱きしめてくれた。
上着も着たままの、ちょっと抱きづらいカイトの身体を。
背中に回る腕の感触に、胸を締め付けられる。
「よかった…」
ぽつっと。
メイは、胸の中でそう呟いた。
よかった?
車の話をしたら、きっと出てくるのは『ありがとう』だと予測していたカイトは、眉を顰める。
どうして、ここで『よかった』が出てくるのか。
「起きたら、いなかったから…」
ぎゅうっと、カイトを抱きしめる腕に力が込められる。
顔は、胸にうずめたまま。
「……!」
その言葉で、すべてを教えられる。
彼が帰ってくる前に、メイはすでに起きていたのだ。
そうして、ベッドに一人だったのである。
だから。
玄関まで飛び出してきたのだ。
パジャマのままで。
胸が、きゅうっとする。
結果的に、彼女に不安な思いをさせたのだ。
それが苦しかった。
それと―― 心のどこかで、すごくメイが自分を欲してくれている、ということを教えられた気がして、また愛しさが募る。
まだ。
全然、二人とも。
両思いにすら、慣れていなかったのだ。