冬うらら2

 しかし、その量と言うのが、一体どのくらいなのか分からない。

 でも、そういう気持ちというものは、量を調べてもしょうがないことだ。

 大体、計るためのマスさえないのだから

 ふわ。

 指輪に触れたまま、徒然と考えていたメイだったが、夜の0時を待っていたかのように、あくびがこぼれ落ちた。

 こし、と目をこする。

 身体がだるくて、眠かった。

 今日は、一日中そんなカンジで。

 ちょうどうたた寝しているところを、ハルコに見られてしまって恥ずかしかった。

 理由は、分かっている。

 毎日の夜更かし―― もあったかもしれないが、一番の原因は、いまの体調のせいだ。

 いたた。

 腰に時々走る鈍い痛みに、メイは眉を寄せた。

 そう。

 月に一度の、オトメ・デーが来てしまったのだ。

 ふぅ、とため息をつく。

 すごく違和感があったのは、この家でオトメ・デーが来るのが、初めてだったせいか。

 先月は、別々に暮らしている時だったし、先々月はまだ知り合っていなかった。

 そう思うと、カイトという存在と共有した時間の少なさが、具体的に感じられてしまう。

 何て…言おう。

 メイは、もう一度ため息をつきながらそう思った。

 この身体のことを、カイトにうまく伝えるには、どうしたらいいのか分からないのだ。

 これまで男の人に、そういうことについて語ったことがなかったのである。

 父親にすら、隠し通した。

 初めての時は、近所のお姉さんに助けてもらったのだ。

 わざわざこっちから言うのも恥ずかしいし、かと言って、変なタイミングになって気まずくなったらイヤだし。

 彼女の悩みどころだった。

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