冬うらら2
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だから、寝てろつっただろうが。
複雑な気持ちで、それを思う。
寝ていて欲しい気持ちと、会いたい気持ちが交錯しているせいで、その結論は、いまだにきちんと出ていない。
なしくずしに、彼女が起きているのを容認している形になっていた。
おかげで都合のいい時だけ、さっきのように、『だから寝てろ…』云々ということになるのだ。
じっと寝顔を見つめていてもよかったが、いつまでも彼女をこんなところに寝かせるワケにはいかない。
カイトは一度ベッドを見て、それからメイを見た。
うっ。
物理的に、彼女を抱えていかなければならないだろう。
それがイヤなのではない。
色々、思うところがあったのだ。
途中で、メイが目覚めてしまったらとか、自分のガラじゃない、とか。
そんな邪魔な考えも、結局カイトは踏みつけにした。
ここでも、自分の甲斐性が試されているような気がしたのだ。
好きな女一人、抱き上げてベッドに運べない男―― そのレッテルは、あまりに許せなかった。
ガッガッ!
変に気負ってしまって、歩き方が乱暴になる。
まずカイトは、ベッドの方に向かったのだ。
布団をばっとめくって、彼女を寝かせる場所を作った。
珍しく、先のことを予測できた自分に悦に入りそうになるが、しかしそれはあくまで前菜である。
メインディッシュは。
ゴクリ。
メイの目の前に立つ。
無防備に眠る彼女の姿は、本当にカイトが触れていいのか、一瞬戸惑うくらいで。
触れていいに決まってんだろ!
自分を奮い立たせる。
しかし、その奮い立ったエンジンの速度とは反比例して、触れる指はそっと、という強さになった。
だから、寝てろつっただろうが。
複雑な気持ちで、それを思う。
寝ていて欲しい気持ちと、会いたい気持ちが交錯しているせいで、その結論は、いまだにきちんと出ていない。
なしくずしに、彼女が起きているのを容認している形になっていた。
おかげで都合のいい時だけ、さっきのように、『だから寝てろ…』云々ということになるのだ。
じっと寝顔を見つめていてもよかったが、いつまでも彼女をこんなところに寝かせるワケにはいかない。
カイトは一度ベッドを見て、それからメイを見た。
うっ。
物理的に、彼女を抱えていかなければならないだろう。
それがイヤなのではない。
色々、思うところがあったのだ。
途中で、メイが目覚めてしまったらとか、自分のガラじゃない、とか。
そんな邪魔な考えも、結局カイトは踏みつけにした。
ここでも、自分の甲斐性が試されているような気がしたのだ。
好きな女一人、抱き上げてベッドに運べない男―― そのレッテルは、あまりに許せなかった。
ガッガッ!
変に気負ってしまって、歩き方が乱暴になる。
まずカイトは、ベッドの方に向かったのだ。
布団をばっとめくって、彼女を寝かせる場所を作った。
珍しく、先のことを予測できた自分に悦に入りそうになるが、しかしそれはあくまで前菜である。
メインディッシュは。
ゴクリ。
メイの目の前に立つ。
無防備に眠る彼女の姿は、本当にカイトが触れていいのか、一瞬戸惑うくらいで。
触れていいに決まってんだろ!
自分を奮い立たせる。
しかし、その奮い立ったエンジンの速度とは反比例して、触れる指はそっと、という強さになった。