冬うらら2

 いたわって欲しくて、言っているワケじゃない。

 女としては当たり前の現象だし、毎月起きることなのだ。

 最初にちゃんと伝えておけば、きっと来月からは、もっとソフトな表現で伝えられるに違いなかった。

 最初の一ヶ月である今回だけ、恥ずかしい思いをすれば何とかなるのだ。

 メイは、そんな風に自分に言い聞かせ、恥ずかしさを紛らわそうとした。

 夫婦なのだから。

 これも、共有しなければいけない情報の一つなのだか―― いやー!!

 分かってはいるのだが、やっぱり恥ずかしい。

 言い聞かせていた言葉は、全て無駄になってしまう。

「じゃ、じゃあ…お風呂もらってくるね…」

 ついに耐えきれなくなって、メイは石像の前から逃げ出したのだった。
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