冬うらら2
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また『笑って』というお願いでさえなければ、カイトは何だって彼女の望みを叶えてやりたかった。
そして、メイを幸せにしているのだという、確固たる手応えが欲しかったのである。
大体。
まだ、『お願い』という形式を取っているのが、彼にしてみれば嬉しくないところだった。
欲しいものや、して欲しいことがあれば、『お願い』を最初に言うのではなく、『~が欲しい』と言えばいいのである。
しかし、それはメイの性格上、不可能なのかもしれない。
そう、最近カイトは思うようになってきた。
だからこそ余計に、彼女が勇気を出してまで言おうとする『お願い』は、何でも叶えたかった。
そんな思いは、山ほど心の中で溢れ返るのに。
出てくる言葉ときたら。
『遠慮…すんな、言え』、などという、短くて深みのないものなのだ。
彼は、言葉に深みを持たせるのが苦手なのだ。
いつも、自分の思いを的確に伝えることが出来ない。
「あ、うん…あのね……明日か、明後日か時間ある? 多分、半日くらいあれば…大丈夫と思うんだけど」
メイは、言いにくそうにしながらそう続けた。
まだ、ちっともカイトは要領を得ない。
土曜か日曜に、カイトの時間をもらえないだろうか―― そういうことを言っているらしい。
あ……。
カイトの中でさえうまく音にはならなかったが、『有り余ってる!』というものが一番近かったか。
たかが週末の半日を、メイに拘束されるくらい、痛くもかゆくもなかった。
それどころか、丸2日間拘束されたいくらいだったのだ。
いや。
そうではない。
最初からカイトは、丸2日間メイを拘束するつもりだったのである。
ずっと自分のそばに置いておいて、彼女の存在というものを全身に焼き付けたかった。
そうすれば、少しはこのぎこちなさが取れるように思えたのだ。
また『笑って』というお願いでさえなければ、カイトは何だって彼女の望みを叶えてやりたかった。
そして、メイを幸せにしているのだという、確固たる手応えが欲しかったのである。
大体。
まだ、『お願い』という形式を取っているのが、彼にしてみれば嬉しくないところだった。
欲しいものや、して欲しいことがあれば、『お願い』を最初に言うのではなく、『~が欲しい』と言えばいいのである。
しかし、それはメイの性格上、不可能なのかもしれない。
そう、最近カイトは思うようになってきた。
だからこそ余計に、彼女が勇気を出してまで言おうとする『お願い』は、何でも叶えたかった。
そんな思いは、山ほど心の中で溢れ返るのに。
出てくる言葉ときたら。
『遠慮…すんな、言え』、などという、短くて深みのないものなのだ。
彼は、言葉に深みを持たせるのが苦手なのだ。
いつも、自分の思いを的確に伝えることが出来ない。
「あ、うん…あのね……明日か、明後日か時間ある? 多分、半日くらいあれば…大丈夫と思うんだけど」
メイは、言いにくそうにしながらそう続けた。
まだ、ちっともカイトは要領を得ない。
土曜か日曜に、カイトの時間をもらえないだろうか―― そういうことを言っているらしい。
あ……。
カイトの中でさえうまく音にはならなかったが、『有り余ってる!』というものが一番近かったか。
たかが週末の半日を、メイに拘束されるくらい、痛くもかゆくもなかった。
それどころか、丸2日間拘束されたいくらいだったのだ。
いや。
そうではない。
最初からカイトは、丸2日間メイを拘束するつもりだったのである。
ずっと自分のそばに置いておいて、彼女の存在というものを全身に焼き付けたかった。
そうすれば、少しはこのぎこちなさが取れるように思えたのだ。