冬うらら2

 1週間くらいか?

 いや、10日くらいかも。

 頭の中で、いろんな数字の可能性がぐるぐるとめぐる。

 しかし、どれも本当のようで違うようで―― 誰に聞くことも出来ない内容だけに、カイトは心の中でうなった。

 ということは、次に彼女に触れられるのは、今週の土曜か日曜。

 ヘタしたら、もっと先ということになってしまうではないか。

 今日は、まだ月曜の夜でしかないのに。

 かなり遠く感じて、カイトはぐらぐらした。

 インターネットや医学全書でも開けば、どこかにそれについて書いてあるのだろうが、探し出して確認する気にはなれない。

 自分が、とんでもなく下世話な人間に、なってしまったような気がするからだ。

 メイのことは知りたいが、女性特有のことについて詮索するのは、彼女を冒涜しているようにさえ思える。

 その上、調べている時の自分の姿の情けなさは、折り紙つきだ。

 自然の摂理が起こす、当たり前のことなのだから、自然のなりゆきのまま終わるまで待った方がいいのだろう。

 でないと、『今日終わるか』、『明日終わるか』などという、飢えた目で彼女を見てしまう。

 それではまるで、メイの身体が目的のようではないか。

 そうではないのだ。

 彼女の身体は、あくまで彼女の心についてくるおまけのようなもので。

 いや、もちろん身体もメイそのものなのだから、愛しくてしょうがないのだが。

 しかし、基本は『心』であり、『魂』であり、『何もかも全て』なのである。

 身体の方ばかりに傾倒しては、まるでサカリのついたオスのケダモノに成り下がってしまう。

 もし、そんなことになったら、メイは。

 軽蔑の目を想像しそうになって、慌てて振り払う。

 カイトは尊敬されたかったし、彼女にカッコイイと思ってもらいたかったし、好きだとずっと思って欲しかった。

 わずかな亀裂も疑いももたれずに、安心して頼って欲しかった。
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