冬うらら2

 そして、今日の昼間、ラジオを聞きながら編み物をしていた時。

 ある番組で、『もらって困るプレゼント』なるアンケートの結果が発表されていて―― 第一位に堂々と輝いたのは、『手編みのセーター』だったのだ。

 う。

 その瞬間、彼女の編み棒が止まった。

 それから、カードラジオを見た。

 ラジオ自体には罪はないし、アンケートで答えた人の顔が、見えるワケでもない。

 うう。

 ちょっと、へこんだ。

 だが、何とか自力で盛り返そうと努力した。

 アンケートは、彼女や、その他の異性からもらうプレゼント、と想定してあったのだ。

 彼ら二人の関係は、すでに婚姻状態なのだから、ちょっと意味が変わるんじゃないかと思った。

 少なくとも、カレシカノジョのように、明日が曖昧なワケではない―― と思いたかった。

 それにこのセーターは、奇抜とか派手とか、そういうものではなく、シンプルな実用品として使えるようなものを作っているつもりだった。

 何気なく、着て歩けるような。

 カイトは、そこまで洋服にこだわりはないようなので、最悪、他の服の中の一つに紛れさせておけば、手編みだと言うことを意識しなくなるだろうとも思った。

 メイ一人が、彼が偶然そのセーターを着ている時だけ、自己満足でにこにこしていればいいのである。

 そこまでが、昼間の出来事。

 しかし、今もまだちょっと引きずっているところはあるのだ。

 でも。

 喜んで欲しいな。

 ほら。

 またワガママになった。

 メイの中で、どんどんカイトに対する要求が大きくなる。

 こうして欲しい、ああして欲しいというのが増えてきているのが、はっきり分かる。

 一番最初の、『気持ちが伝わっただけで幸せ、信じられない』という気持ちの外側に、いろんなものが付着し始めるのだ。
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