冬うらら2
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「んっ…」
パジャマの上から、身体が探られる。
大きな手が―― ああ、きっと左手が。
胸を、ほとんど掴まれると言った方が、確かな強さで探られる。
触れるなんて、生やさしいものじゃない。
しかし、痛いと思うよりも、彼に触れられているという嬉しさの方が、遙か前方を駆け抜けていた。
もっと触れて。
彼になら。
手づかみで食べられたかった。
箸やフォークや、そういう理性的な道具はいらない。
手づかみは、確かに野蛮で見栄えも綺麗じゃないかもしれない。
でも、ただ一途に全身で食べられているのだということが、細胞の一つ一つにまで伝わるのだ。
意識も、パジャマも、むしり取られる。
お互い、『好きだ』という言葉しか抱えていない生き物になった。
言葉は、ない。
カイトだけじゃない。メイもだ。
2人とも、ずっと我慢していた空腹の状態で、目の前にいきなり大好物の料理を差し出された気分なのだ。
そんな時に、言葉を考えている余裕などない。
ただ、食べるので精一杯だ。
自分を満たすので、精一杯なのである。
気持ちをいっぱいに込めて、カイトの身体にすがりつく。
自分の身体の方が、どんな気持ちより一番正直だった。
こらえきれない彼の気持ちと、愛しすぎる自分の気持ちを、両方同時に満たすためにやわらかく溶けたのだ。
煮くずれるのではないかと、心配するヒマもなく―― カイトが、一瞬で崩してくれた。
「んっ…」
パジャマの上から、身体が探られる。
大きな手が―― ああ、きっと左手が。
胸を、ほとんど掴まれると言った方が、確かな強さで探られる。
触れるなんて、生やさしいものじゃない。
しかし、痛いと思うよりも、彼に触れられているという嬉しさの方が、遙か前方を駆け抜けていた。
もっと触れて。
彼になら。
手づかみで食べられたかった。
箸やフォークや、そういう理性的な道具はいらない。
手づかみは、確かに野蛮で見栄えも綺麗じゃないかもしれない。
でも、ただ一途に全身で食べられているのだということが、細胞の一つ一つにまで伝わるのだ。
意識も、パジャマも、むしり取られる。
お互い、『好きだ』という言葉しか抱えていない生き物になった。
言葉は、ない。
カイトだけじゃない。メイもだ。
2人とも、ずっと我慢していた空腹の状態で、目の前にいきなり大好物の料理を差し出された気分なのだ。
そんな時に、言葉を考えている余裕などない。
ただ、食べるので精一杯だ。
自分を満たすので、精一杯なのである。
気持ちをいっぱいに込めて、カイトの身体にすがりつく。
自分の身体の方が、どんな気持ちより一番正直だった。
こらえきれない彼の気持ちと、愛しすぎる自分の気持ちを、両方同時に満たすためにやわらかく溶けたのだ。
煮くずれるのではないかと、心配するヒマもなく―― カイトが、一瞬で崩してくれた。